2022'02.02
Disney+で「DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機」を見ました。
ものすごく怖くてものすごく見ごたえがあっておもしろかったです(ドラマとして)。
DOPE=麻薬 SICK=病気 で「禁断症状」のことらしいです。
実は私は全然知らなかったんですが、アメリカはこのオピオイド系鎮痛剤オキシコンチンの薬物依存が大きな社会問題になっていたのですね。
どうやってこの薬がアメリカ国内に浸透して、アメリカを蝕んでいくかという過程が描かれていて、本当に怖かったです。
ドラマでは、オキシコンチンを
「売る側(製薬会社の幹部たちと、世に薬を広める営業マンたち)」
「売られる側(処方する医者や患者とその家族や友達など)」
「阻止する側(最初にこの問題に取り組んだ検事たちと麻薬取締捜査官)」
という概ね3つの立場から描かれています。
そこにある人間ドラマの部分も見ごたえがありました。
製薬会社と言っても所詮は「商売人」だから「金儲け」が一番の目的なんです。
そのために国民が中毒になろうが、知ったこっちゃない。薬が売れればいい。逆に中毒になればもっと売れるわけですから…。
営業マンにも「売れ、売れ!!!売って売って売りまくれ!売るための手段は選ばなくていい!売ってこいや!それがお前の存在価値だ!」というスタンスで、本当に鬼畜の所業です。
営業マンたちも薄々その害毒を知っているのに、自分の利欲のために見て見ぬふり。モラルも正義もない。売れればいいというのは幹部と同じなんですね。
そもそも、パーデュー社はサックラー家という富豪の一族経営なんだけど、世間的には「慈善家」として通っていたというから、開いた口がふさがりません。表向きは慈善家、いろいろ寄付をしたりしてて、でもその寄付したお金の出どころはというと、人々を中毒にして儲けたお金だったとはね。
ドラマでは炭鉱の町が舞台となり、そこで働く人たちがまず犠牲になりました。
やはり怪我が多いので、鎮痛剤が欲しくなるのです。
疼痛治療、という言葉を初めて知りました。
炭鉱夫として働く少女の疼痛治療をオキシコンチンに頼ったことから起きる悲劇。
営業マンの口車にまんまと乗ってしまう医者が、たんに浅はかだとは言い切れないんですよね。
医者はほんとうに患者のことを思っている…人によりけりだとは思うけど。
この町の医者(マイケルキートン)は少なくとも患者目線で治療を行う善良な医者でした。
それなのに、自らの処方で中毒者を出してしまうという結果になってしまうんです。
そしてとあることから自分も…。
この地方の検事たちがこの件に乗り出して「なんとか」しようとする姿も見ごたえがありましたが、私が一番印象的だったのはFDAというアメリカの政府機関です。FDAとは↓
ここがね、薬のラベルの認可をしているらしいんですよ。
そのラベルに「中毒になりません」みたいなことが書かれていたら、誰もが安心して使うじゃないですか。
日本でいうと厚生労働省ですよ。嘘をつくとは思わないですよね。
麻薬取締官がこの案件に乗り出すんですが、このFDAに薬のラベルに「中毒になる可能性がある」と明記しろというんですが、根拠がないとか何とかで絶対に書き換えようとしません。
そこにはやはり癒着があるんです。
人はどこまで浅ましくなれるんだろうと、サックラー家もムカつくけれども、このFDAの面々にはもっと呆れたしムカつきました。
あとこれは本筋には関係ないけど、麻薬取り締まり捜査官のひと、離婚しちゃいますよね。
実際にこんな案件に関係したら、公私の区別もなく奔走しなければいけないし、昼も夜もないし家族との時間もなくなります。
しかし、女性がこのように家庭よりも仕事を重視するとどうして家庭が壊れるのかな。
この件では、、、ますます話が逸れるけれど「フリーダムライターズ」を思い出しました。
「フリーダムライターズ」の著者エリンも仕事であった教育に没頭して離婚してしまうので。。
まぁ男の人でも家庭を顧みないという理由で離婚になる場合もあるけれどね。
国民のために奔走しているのに、なんだかやり切れないし理不尽な気がしました。
このドラマではそこはフィクションかもしれませんが、実際にそんなこともありそうなほど、関係者たちの奮闘は想像を絶します。
ドラマは一応の決着はつくんだけど、オキシコンチン中毒は今もアメリカを蝕み続けているのでしょう。
いったん中毒となったら元に戻ることはないらしいです。
薬を手に入れるために犯罪を犯すし、身を売るし、親も友達も騙すし裏切る。
いつしか安いヘロインに手を出し本当の廃人になるか死ぬ。
(ヘロインって安いんだ???!!)
なんという罪深さ。
そうそう、もうひとつ
印象的だったのがドイツです。
サックラー家のリチャードいという次期社長になる男が、オキシコンチンをドイツで認可させたくて仕方がなかったんです。
ドイツを通ればヨーロッパで流通させられると。
どこまで欲深いんじゃ(-_-;)
でも結局ドラマの中ではドイツを通過することができませんでした。
どうしてもどうしても通過しませんでした。
ドイツ、偉いなぁと。
詳しいことは知らないけど思わずドイツの応援してしまってました、
日本はどうでしょうね。
ほんとうに痛い患者には、たとえば末期のがん患者にはモルヒネをというのは私にもわかりますが、そんな使い方ならいいと思うけどアメリカのように広く簡単に人々に行き渡るようなことにならないことを念じてやみません。
ドラマとしてもほんとうにおもしろい(というと語弊があるけれども)のでお勧めです。
アメリカのHulu制作らしいですが、なぜか日本ではHuluではなくDisney+(ディズニープラス)の配信です。
ものすごく怖くてものすごく見ごたえがあっておもしろかったです(ドラマとして)。
DOPE=麻薬 SICK=病気 で「禁断症状」のことらしいです。
実は私は全然知らなかったんですが、アメリカはこのオピオイド系鎮痛剤オキシコンチンの薬物依存が大きな社会問題になっていたのですね。
どうやってこの薬がアメリカ国内に浸透して、アメリカを蝕んでいくかという過程が描かれていて、本当に怖かったです。
ドラマでは、オキシコンチンを
「売る側(製薬会社の幹部たちと、世に薬を広める営業マンたち)」
「売られる側(処方する医者や患者とその家族や友達など)」
「阻止する側(最初にこの問題に取り組んだ検事たちと麻薬取締捜査官)」
という概ね3つの立場から描かれています。
そこにある人間ドラマの部分も見ごたえがありました。
製薬会社と言っても所詮は「商売人」だから「金儲け」が一番の目的なんです。
そのために国民が中毒になろうが、知ったこっちゃない。薬が売れればいい。逆に中毒になればもっと売れるわけですから…。
営業マンにも「売れ、売れ!!!売って売って売りまくれ!売るための手段は選ばなくていい!売ってこいや!それがお前の存在価値だ!」というスタンスで、本当に鬼畜の所業です。
営業マンたちも薄々その害毒を知っているのに、自分の利欲のために見て見ぬふり。モラルも正義もない。売れればいいというのは幹部と同じなんですね。
そもそも、パーデュー社はサックラー家という富豪の一族経営なんだけど、世間的には「慈善家」として通っていたというから、開いた口がふさがりません。表向きは慈善家、いろいろ寄付をしたりしてて、でもその寄付したお金の出どころはというと、人々を中毒にして儲けたお金だったとはね。
ドラマでは炭鉱の町が舞台となり、そこで働く人たちがまず犠牲になりました。
やはり怪我が多いので、鎮痛剤が欲しくなるのです。
疼痛治療、という言葉を初めて知りました。
炭鉱夫として働く少女の疼痛治療をオキシコンチンに頼ったことから起きる悲劇。
営業マンの口車にまんまと乗ってしまう医者が、たんに浅はかだとは言い切れないんですよね。
医者はほんとうに患者のことを思っている…人によりけりだとは思うけど。
この町の医者(マイケルキートン)は少なくとも患者目線で治療を行う善良な医者でした。
それなのに、自らの処方で中毒者を出してしまうという結果になってしまうんです。
そしてとあることから自分も…。
この地方の検事たちがこの件に乗り出して「なんとか」しようとする姿も見ごたえがありましたが、私が一番印象的だったのはFDAというアメリカの政府機関です。FDAとは↓
FDAとは、アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration)の略称で、食品などを取り締まるアメリカ合衆国の政府機関。日本の厚生労働省に似た役割を持つ。
FDAは、消費者が通常の生活を行う際に接する機会がある様々な製品(食品、医薬品、動物薬、化粧品、医療機器、玩具など)の安全性・有効性を確保するための機関である。FDAの中で新薬の承認審査を主に担当する組織はCDER(Center gor Drug Evalutation and Research)と呼ばれており、アメリカで医薬品を販売するためには、このCDER(FDA)の承認を取得する必要がある。
医療界の転職支援アンサーズより
ここがね、薬のラベルの認可をしているらしいんですよ。
そのラベルに「中毒になりません」みたいなことが書かれていたら、誰もが安心して使うじゃないですか。
日本でいうと厚生労働省ですよ。嘘をつくとは思わないですよね。
麻薬取締官がこの案件に乗り出すんですが、このFDAに薬のラベルに「中毒になる可能性がある」と明記しろというんですが、根拠がないとか何とかで絶対に書き換えようとしません。
そこにはやはり癒着があるんです。
人はどこまで浅ましくなれるんだろうと、サックラー家もムカつくけれども、このFDAの面々にはもっと呆れたしムカつきました。
あとこれは本筋には関係ないけど、麻薬取り締まり捜査官のひと、離婚しちゃいますよね。
実際にこんな案件に関係したら、公私の区別もなく奔走しなければいけないし、昼も夜もないし家族との時間もなくなります。
しかし、女性がこのように家庭よりも仕事を重視するとどうして家庭が壊れるのかな。
この件では、、、ますます話が逸れるけれど「フリーダムライターズ」を思い出しました。
「フリーダムライターズ」の著者エリンも仕事であった教育に没頭して離婚してしまうので。。
まぁ男の人でも家庭を顧みないという理由で離婚になる場合もあるけれどね。
国民のために奔走しているのに、なんだかやり切れないし理不尽な気がしました。
このドラマではそこはフィクションかもしれませんが、実際にそんなこともありそうなほど、関係者たちの奮闘は想像を絶します。
ドラマは一応の決着はつくんだけど、オキシコンチン中毒は今もアメリカを蝕み続けているのでしょう。
いったん中毒となったら元に戻ることはないらしいです。
薬を手に入れるために犯罪を犯すし、身を売るし、親も友達も騙すし裏切る。
いつしか安いヘロインに手を出し本当の廃人になるか死ぬ。
(ヘロインって安いんだ???!!)
なんという罪深さ。
そうそう、もうひとつ
印象的だったのがドイツです。
サックラー家のリチャードいという次期社長になる男が、オキシコンチンをドイツで認可させたくて仕方がなかったんです。
ドイツを通ればヨーロッパで流通させられると。
どこまで欲深いんじゃ(-_-;)
でも結局ドラマの中ではドイツを通過することができませんでした。
どうしてもどうしても通過しませんでした。
ドイツ、偉いなぁと。
詳しいことは知らないけど思わずドイツの応援してしまってました、
日本はどうでしょうね。
ほんとうに痛い患者には、たとえば末期のがん患者にはモルヒネをというのは私にもわかりますが、そんな使い方ならいいと思うけどアメリカのように広く簡単に人々に行き渡るようなことにならないことを念じてやみません。
ドラマとしてもほんとうにおもしろい(というと語弊があるけれども)のでお勧めです。
アメリカのHulu制作らしいですが、なぜか日本ではHuluではなくDisney+(ディズニープラス)の配信です。
コメントの投稿