感想だけ言うと、とっても面白かった!
・・・ことは面白かったのですが、やはり「バーニングアイス」と比べると物足りなかったです。
オープニングがすごく不気味なアニメーションで目を引いたし、全体にドキドキハラハラ、オープニング同様に不気味で予想のつかない不穏な展開に目が離せませんでした。
とくに今回は子供たちが主人公だったので、どうしても子供たちが無事でいてほしいと願い、危ない目に合うたびにハラハラしました。なんでそんなことするんやー!!みたいな(^_^;)
これは最初はあまりわからなかったのですが「バーニングアイス」と、このあとまた放送される「ロングナイト」と三部作なのだそうです。
じつは登場人物が被っているのですね。
さいしょは偶然名前が同じだと思ったのですが、どうも同一人物らしい。と、中盤ようやく理解ました(^_^;)
物足りないと書きましたが、「バーニングアイス」があまりにも出来たドラマで私的には大絶賛だったので、やはりあれを超えるのはどんなドラマも難しいかもしれません。
こちらもほんとうに十分面白かったです。
<ストーリー>
トラックの荷台に潜り込み目的地へ向かう少年、厳良(シー・ポンユェン)は行方不明になっている父親を捜すため、妹分の普普(ワン・ションディー)と児童養護施設を抜け出してきた。彼らが頼ったのは、厳良の幼なじみの朱朝陽(ロン・ズーシャン)の家。両親が離婚し、学校でも周囲になかなかなじめない朱朝陽は、厳良との再会を喜ぶ。ある日、3人は朱朝陽のビデオカメラを持って、山へ遊びに行く。家に帰り撮影した動画を見返すと、そこにとある男の殺人の様子が偶然にも収められていた。その男は、なんと朱朝陽が通う少年宮の教員だった。児童養護施設に連れ戻されることを恐れた厳良たちは、警察には通報せず、犯人に二度と殺人を犯さないようにと手紙を書くことを思い付くが、事態はだんだんと彼らの手に負えなくなっていく。
WOWOW番組紹介ページより
ではネタバレ含む感想です
バーニングアイスと違うのは、こちらは最初から「犯人」がわかっていることですよね。
展開としては、犯人探しではなく、キャラクターたちがどうなっていくのかをハラハラしつつ見守る感じでした。
子どもたちは厳良は頼もしいし、朝陽は頭がいいし、一番年下の晋晋もなかなかの策士。
だから、子どもたちが子どもたちらしからぬ機転を利かせて犯人を追い詰めていくのかと思ったけれども、やっぱり子どもゆえの浅知恵でしかない。
たしかに普通の子どもたちよりも頑張ったと思う。けれども、子どもの活躍に胸を躍らせるドラマではないのですね。
とくに、朝陽の義妹を死なせてしまったときには、取り返しのつかないことをこの子たちがしでかしてしまったという絶望感に駆られました。
そこから、物語は急転落下、子どもたちこそどんどん追い詰められていく。
朝陽の義母(父親の再婚相手)の恐ろしいこと。
朝陽の実母も被害に遭ってしまった。
どこまで追いつめられるんだろうと思っていると、今度は朝陽の義母の弟が登場。
これは・・・このサイコ野郎は・・・バーニングアイスの李豊田的な!
こいつが自分の姪っ子の仇とばかりに朝陽をつけ狙う!!
厳良たちのことも把握されて襲われてしまう。
こわい!!
いったいどうなるのか
・・・と思いきや、そいつをあっさり張東昇が殺しちゃう!
張東昇からしたら、子どもが李豊田に殺されでもして死んでくれたらラッキーなはずなのに。
自分も厳良たちの隠れ家である廃船を燃やそうとガソリンか何かを撒いていたくせに(結局火はつけなかった)。
なんで?なんで助けた?
そんな悪い人じゃないのか?
いやいや、いやいや、このひとは妻の両親を殺した後、妻をも殺してしまった極悪人だよね。
それにこの李豊田、もとい朝陽の叔父に加え、結局朝陽の父親、そしてその妻も殺したので、合計6人を殺してしまいました。
6人て!!!!
大量殺人です!!!
見た目は普通の先生で、子どもに対する人情もある。
なのに成り行きも含めて6人も殺してしまうし、反面子どもに脅されるままに借金までしてお金を工面しているし、行き場がない厳良と晋晋に宿を提供してあげると。。とくに晋晋がアレルギーで死にかけたときも助けたらしいし・・・この先生がよくわからなかったな。
自殺しようとしていて結局死ねず、ふつうに先生として仕事をしていた時に警察につかまってしまう。
(朝陽の自白により)
なんというお粗末な結末だろうか。
死にもせず逃亡もせず、ただつかまるのを待っていでもしたかのように。
厳良は後見人を得て、このさき警察官になるようです。
そしておとなになって「バーニングアイス」という事件に出会うんですね。
晋晋は最後は出てこなかったなぁ。
朝陽への手紙が読まれただけで、無事な姿を確認できなかった。
朝陽とその母は、これを言ったら身もふたもないけど「いい迷惑」をこうむった感がありましたね。
巻き込まれ感というか。
「バーニングアイス」のときも「ファーゴ」を彷彿としたんだけど、今回はもっとさらに「ファーゴ」的な「巻き込まれてどんどん悪いほうに事が進む」感が強かったですね。
どうなるんだろう??というハラハラ感がものすごく大きくて、放送が待ち遠しかったです。
「ロングナイト」も期待大です。
そう言えば、先生のヅラ設定はなんの意味があったんだろうか?ひょっとして、そのために妻に嫌われて離婚話になったとか?。。。
追記
晋晋は最終話姿は見せなかったけど、手紙での存在感が大きかったです。
晋晋の手紙の意味を考えると、朝陽は義妹の死に思った以上に関わっているということです。
あらためて、義妹が「落ちた」ところを振り返ると、その瞬間はちゃんと映っていないので、おそらく朝陽は突き落したりはしないけれど、どこかにつかまって堪えている義妹を見殺しにしたのだと(ドラマ友の見解です)。
そのあとで父親のレコーダーの件といい(父親がレコーダーで録音しているのを知っていて、父親の良心が痛むようなことをわざというあたり、義妹のかわりに僕が死ねばよかった、みたいなことを)けっこう腹黒いというといい過ぎかもしれませんけど、一筋縄でいかない子供でしたね。
しかし、義妹をあの部屋へ連れて行ったのは晋晋であるということもやっぱり事実。
晋晋が誘わなければ、いくら憎たらしい義妹でも、朝陽もそこまではしなかったんじゃないかなぁ。