◆ 感想「ピノキオ」
2015'11.09
![ピノキオ OST (SBS TVドラマ)(韓国版)[+イ・ジョンソクのポストカード][+イ・ジョンソクのステッカー]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51nUs3an1YL.jpg)
とても面白かったです!★★★★
ストーリーは↓(WOWOWのコピペ)
火災事故と偏向報道により家族を失った少年キ・ハミョン。母親と海に飛び込んだ彼は、島の住人チェ・ゴンピル(ピョン・ヒボン)に助けられ、ゴンピルの亡き長男ダルポとして生きていくことに。
一方、両親の離婚により、父とともに祖父ゴンピルの家に移り住むことになった少女チェ・イナは、同い年の伯父ダルポに驚きながらも一緒に暮らすことに。ダルポは密かにイナに想いを寄せるが、イナの母親は偏向報道でダルポの家族を破滅に追いやった記者ソン・チャオク(チン・ギョン)だった。
高校を卒業後、就職浪人をしながら記者を目指すイナ(パク・シネ)のため、ダルポ(イ・ジョンソク)も一緒に記者を目指すことに。
この「偏向報道」って言うのが、ほんとうにひどくて、報道被害にあった主人公たち一家が可哀想で可哀想で、すごく感情移入しました。記者のソン・チャオクがもう、あり得ないぐらいムカつく記者です。
視聴率のためにはなりふり構わないで、真実よりもインパクトがあるニュースで視聴者を掴みたいって言う感じです。
主人公のハミョンはそのために、家族をなくしてしまいます。
しかし、また、そのために新しい家族を得ることになります。
そこに、ヒロインのチェ・イナ(パク・シネ)がいて、切ないラブストーリーが展開していくのです。
壁ドンあり、ツンデレあり、腕グイあり、そして、素敵な素敵なキスシーン!うっとりしますよ(笑)
ラブストーリーとしてはかなり上出来じゃないでしょうか?(笑)
ハラハラさせられつつも、イライラするまでにはいたらず。。絶妙にじらされて。。(笑)
ラブは置いておいても、ハミョンが得た新しい家族、新しい父親が最高です。
この物語の中で私が一番好きなのが、ダルポ(ハミョンの別名)とその父親とのエピソードです。
何度も泣かされました。
大好きで、尊敬していた、大事な大事なお父さんがいなくなって、それで報道被害に合って家族を失ってしまう、でも、代わりに(と言っては何だけど)また最高のお父さんと家族を得たダルポと言う青年の物語と思いました。
お父さんだけじゃなく、イナの父(ダルポの弟にあたる)もとても良かったデス。
この役者さんも好きになりました!
タイトルの「ピノキオ」って言うのは、架空の設定なんだけど、「ピノキオ症候群」って言う症状があるんだって。
それは、「嘘をつくとしゃっくりが出る」と言う症状で、その特性を持つ一部の人たちはうそをついてもばれてしまうわけです。
で、ヒロインのイナがこの、ピノキオなのです。
だから彼女は嘘が付けない。うそをついてもしゃっくりが出るから、すぐにばれてしまう。
最初は、そんな設定あるかいな、と疑問だったんだけど、この設定がうまいことストーリーに効いてるんですよ。
脚本がしっかりしているというのは、こういうドラマのことを言うんだろうなと思いました。
今見てるほかの、いくつかのドラマと比べても、段違いで素晴らしかったです。
そして、報道の恐ろしさと言うのも、テーマとしてあると思うんだけど、大きく問題提起していて考えさせられます。
主人公の家族に同情しながら見ている私も、いざ、こういう報道があれば簡単に信じて、きっとハミョンたちを責める気持ちになったと思うのです。
ペンは剣よりも強し、のことわざを誰もが思い浮かべたと思います。
報道の在り方、視聴者の受け取り方、深く考えさせられました。
ハミョンは自分たちを貶めたソン記者と対峙するのですが、その結末はどうなるのか、とても楽しみでした。
ソン記者はハミョンにひれ伏すんだろうか。自身を深く反省するんだろうか。。。。。
ここからは、ネタバレ感想です。そして辛口かも。
韓国では死刑制度はあるんでしょうか?
どうやらあるらしい。
あるにはあるけど、死刑は実行されずに、死刑囚が増えていってるのが現状らしいです。
カトリックが大半を占めるかららしいです。
日本では、ダルポの、いやハミョンのお兄ちゃんは確実に死刑だろうなぁ。
3人も殺してしまっているんだもん。
その3人は確かに悪いです。
でも、だからと言って殺していいわけはありません。
きっと家族もいたでしょうに・・。
ハミョン兄の気持ちは分かります。
でも、殺しちゃダメだった。
ドラマの設定も、もっと何とかならなかったのかな?
13年前の報道被害で、ハミョン母が死に、一家離散
ちなみに、このとき本当にハミョンも死んでたら、この事件で結局5人の命が奪われたことになります。
これって、相当大きな事件じゃないですか?
反省したり謝ったりしてすむ話ですか?
ペク会長が「法は犯してない」と嘯いてたけど、本当にそうでしょうか。
4人も、下手したら5人も死んでしまったのに。
それによって、殺人を犯したハミョンの兄の人生も台無しに。
だから実質5人(下手したら6人)の人生が奪われたわけですよ???
最後のほうで、イナの母は、自分のしてきたことを「みじめ」に思ったらしいけど、
たしかに、黒幕はペク会長だろうけど、
だからと言って、イナの母に罪はありませんか?
イナの母は、ダルポに、
ハミョンの兄に謝りましたか?
床に頭を打ち付けて、土下座しても足りないぐらい、謝らないといけないんじゃないですか?
それとも、黒幕がペク会長だから、自分は指示されたことをやっただけだから、罪が軽いですか?
ハミョン兄が勝手に復讐したのだから自分には関係ありませんか?
(まぁそれは一理あるのかもしれませんが・・・(^-^; )
最後はアン・チャンスに自分を告訴させて、出頭してましたが
それだって、ペク会長を引きずり出すためにしたこと(させたこと)であって
「手段」としての出頭でしょう?
そして、そのあとは若い者たち(ダルポやイナ)に対する良きアドバイザーみたいなポジションに立ってしまって、「正義」側にスライドした感がありましたが、そう感じたのは私だけ?
「悪役」が、イナの母からペク会長に替わってしまって、イナの母は「善」側に回ってしまったような。。
しかし!
それではいけません。
イナの母は赦されない罪を犯したと思います。
ペク会長の指示通りに偏向報道をして、世論を操作して、5人の人生を奪いました。
その代わりに自分は出世したのでは?
その落とし前はどうなりましたか?
イナの母は最後にはテレビ局をやめますが、特に隠遁生活をするでもなく、普通に特別講師みたいなことをして世間の前に出てました。
ハミョンの兄はどうなるんですか?
ハミョンの兄に殺された3人の命は?
ハミョンも、兄のしてきたことを思うときっと生涯苦しむはず。
ハミョンが苦しければイナも苦しいはず。
それって本当のハッピーエンドにはなりませんよね。
ドラマとして面白かったし、そこまで突っ込まなくてもいいのかもしれないけど、私的にはもやもやが残りました。
もしも、イナの母が泣きながらでもハミョンの兄に謝ってるシーンがあって、それを私が寝落ちか何かで見逃してたらごめんなさい。
だからと言ってハミョン兄の罪は消えないし、イナの母もペク会長も許されないような気がします。
恨みを捨てたというダルポはえらいと思いますけどね!