2020'12.31
BSフジで放送された「他人は地獄だ」を見ました。
番組HPはこちらです。
ともかく、かなりグロいです(^▽^;)
よくぞこれをBSで放送したなと思いました。
韓国映画ではこういうの定番と言えるんですけど、ドラマでは珍しいのじゃないかなぁ。
私はそもそも、韓国映画にハマったのは「オールドボーイ」とか「殺人の追憶」からなので、こういうのは大好物です。
ドラマもかなり楽しみました。(ドン引きされないかしら(^▽^;)
ストーリーは単純で、
イム・シワン君が演じた主人公のジョンウが田舎から出てきて、なるべく安い下宿を探して「考試院」に入居しました。
しかしそこは狂気にまみれたアパートで、惨劇の舞台でした。
ジョンウは次第にその狂気の犠牲になっていくのです。
これ、イム・シワン君の演技に感心しました。
考試院の住人が変な人たちなんだけど、ジョンウも結構二面性があって、実は軍隊生活のトラウマを抱えているようなのです。
ごく普通の青年に見えるジョンウの、ふとした瞬間に見せる「別の顔」、その二面性の演技がすごくて見ごたえがありました。
それから、怪しすぎる歯科医のイ・ドンウクさん。
このひと、やっぱりかっこいいですね。
トッケビの死神を思い出して、抱きしめたくなるのですが、今回抱きしめたらとんでもないことになりますよ(^▽^;)
常に冷静で笑顔を絶やさないのですが、その笑顔がだんだん怖く見えてくる。
これまた見ごたえがありましたね。
以下は結末に触れるネタバレ感想です。
ジョンウはとちゅうで、考試院が地獄なのではなく、「他人が地獄なんだ」と気づきます。
ジョンウは大学の先輩の会社に入れてもらうために、釜山から上京したらしいのです。
が、この先輩が曲者。
ジョンウの彼女を狙っているのです。
ジョンウを会社に迎えたのもきっと彼女を狙ってのことだと思いました。
ジョンウを通して彼女と接点を作りいずれは奪うつもりだったのでしょう。
貧乏で下宿もまともなところに決められないジョンウよりも自分(金持ちの息子で今は自分の会社を持っている)のほうがいいという自信があったんじゃないかな。
そうして入った会社の、隣に座っている仕事の先輩がまた変な人で、ジョンウに最初から敵意むき出し。
仕事を教えてもくれず、ただ罵倒する。厭味ったらしくて被害妄想はなはだしい。
こんな人とは仕事をしたくないですよね。
ジョンウの彼女のほうも仕事先でパワハラにあっています。
その先輩は、にこやかに嫌味を言い意地悪してくるのです。
こんな人も嫌だ(^▽^;)
そう思うと他人は地獄だという言葉が真に迫ります。
ジョンウは考試院の中で恐ろしい目にあい、正気をなくしていくのですが、正直、その描写はドラマとして見ごたえがあったにしても、なぜこの人たち、というか、元は歯医者と家主のふたりなのですが、かれらはなぜこんなことをしているんだろうと疑問。
ドラマのために作りすぎている感があります。
説得力がないというか。
動機ですよね。よくわからない。
まぁ見ている間はドキドキしたしはらはらしたし面白かったんですが。
ジョンウの社長や隣の席の上司、ジョンウの彼女の会社のお局様、そちらのほうがリアルに恐ろしい感じがしました。
でも、イム・シワン君は壊れていくジョンウを本当に見事に演じていました。
最後はジョンウが被害者なのか加害者なのか、ということが、人によっては分かれてしまう。
視聴者は「被害者」だと思ってみていたのですが、どうやらそうではないようでした。
人の心に巣食う狂気、その恐ろしさを描いてあるドラマでした。