2020'11.21
BS12で放送されていた「凍てついた愛」を見ました。
学校の屋上からある生徒が転落します。
一命はとりとめますが、目覚めることはなく、医師は目覚めたとしても脳障害を残すであろうと宣告しました。
学校や警察が自殺で片をつけようとしますが、両親は納得できません。
ソノは決して自殺するような少年ではないし、そのそぶりもない。
そんな折、ソノが友達グループから暴力を伴ういじめを受けていたことがおさめられた動画が親の元へ送られてきます。
それでも、転落との因果関係はわからないと、学校も警察も両親の訴えに耳を貸しません。
真実が知りたい両親は、動画に映っている友達を問いただしたり、周囲に聞きこんだり行動を起こします。
世間や、なによりも暴力加害者の友達の家族からも心無い言葉を浴びせられながらも、息子を信じて訴え続けるソノの家族。
真実は・・・・・・。
ソノの父親を、パク・ヒスンさんが演じていました。
この人はおもに映画のほうで活躍されている役者さんですね。私が好んでみるサスペンス系の映画にけっこう出ています。
が、ドラマではあんまり見たことがない。「私の恋愛のすべて」でイ・ミンジョンさんの弁護士をしているのを見たぐらいでしょうか。
サスペンス系のこわもての
役者さんと思いきや、今回愛情深いすばらしい父親役を演じていて、ほとんどこのひとに感動させられました。
辛い中でも、息子を信じる気持ちを失わず、妻や娘の支えになり、教え子の生活(高校教師なのです)にも気を配る優しさがあり、夫として父親として教師として、なによりもひととしてこんなに頼れる存在はありませんでした。
ソノの父親が担任している生徒のドンホを、この事件を介して理解するようになります。
このあたりの描き方も自然で感動的でした。
ドンホは親からのネグレクトに遭い、妹のドンヒとともに貧しい暮らしをしていて、それが学業にも影響しているし、バイト先からちゃんとバイト料を支払ってもらえなかったり、辛い生活をしていました。
そのことを、担任であるソノ父はちゃんと知らずに表面的な暴力や反抗する部分だけを見て指導していました。
彼を担任として気遣いながらも、そのときにかかってきた息子からの電話には出なかった。そして転落事故。ソノ父の後悔は計り知れませんでした。
ソノ父はいったん学校を休職するのですが、ドンホとの関りだけは続けていて、食料を差し入れしたりします。
反抗しているドンホが、ソノ父に「同情はいらない」と言い捨てたときに、ソノ父の言葉が「同情も捨てたものじゃない。同情のない世の中は怖いぞ」(よくは覚えてないのですがこんな感じの言葉でした)と言いました。
支援するということは、ときには相手のプライドを傷つけてしまいます。
でも、その支援の方法や気持ちによって、相手が心から救われることもあるはず。
頼ってもいいんだよ、頼ることは恥ではない、ひとはひととの関わりの中でしか生きていけないんだし、生きていくものなんだからという優しさがありました。
ソノ父の気持ちにとても共感できました。
そして特筆するのは、暴力加害者の「友達」の親たちの姿勢です。
誰でもわが子がかわいいです。自分の子どもが加害者だなんて思いたくない。でも、あまりにもそのことに凝り固まり、被害者であるソノや家族の気持ちに一切寄り添えない、まるきりの自己中心的で傲慢な「友達」の親たちには虫唾が走りました。まるで自分たちが被害者のような言い分はほんとにほんとにほんとーーーーーーに、ムカつきました!!(-_-メ)
ただ、自分がもしも同じ立場に立ったら、と思わずにはいられませんでしたけども。。。
コンビニ経営のヨンチョル母だけが、「まとも」なママ友で、ほっとさせられました。
いじめの主犯であるジュンソクの一家は、すさまじかったですね。
ドラマだから誇張して描かれていてちょっとやりすぎなのではと思ってしまいましたけど(^_^;)
事故だと主張するジュンソクを両親が信じてないんです。
ほんとうはどうだったのか、が気になるところが、ドラマを引っ張っていたんですが、あまりにも両親が本質はおざなりにしてジュンソクを守るという体で、自分たちの生活を守ろうとしているだけ、ジュンソクの気持ちにはぜんぜんお構いなし過ぎて、にくにくにく憎たらしかったジュンソクが最後には可哀想でなりませんでした。
手を差し伸べたドンホは、ソノ父に手を差し伸べられたからこそ、ジュンソクに優しく接することができた。やさしさが廻った感じで感動しました。
以下は結末に触れるので、ご注意願います。
ソノが目覚めてほんとうによかったですね。
たぶんそうなるとは思っていたけど・・・。
オ・ジュンソクの父親のオ・マンソク・・・と言いたくなりますが(^_^;)マンソクさんは役者さんの名前!
ジュンソク、マンソク。ほんとの親子みたい(^_^;)
でも、ドラマの中でジュンソクの父はジンピョでした(^_^;)ややこしいよね(笑)
「愛の不時着」の悪役の印象が強いですね。
私は「王家の家族たち」の印象がものすごく強いです(^_^;)
で、このひとがあまりにもゲスすぎて引いてしまいました。
このひとにドン引きするというよりも、そのドラマの設定にね・・・。
ちょっとやりすぎなんじゃないのかなぁ。
証人である警備員のひとを殺してしまったとき(殺人教唆)、ちょっと白けてしまいました。
それまではすばらしいヒューマンドラマだったのに、なんだか陳腐なサスペンスになってしまったみたいで。
ダヒのレイプ犯もコイツだったわけですが、殺人教唆がなかったら、また違う印象を持ったと思うけど、なんだか「やりすぎ」と思えてしまい、げんなりしてしまったです。
かといって、証人のくちをどうふさぐかというと、殺してしまうしかなかったのかもしれませんけど。
そこまでやるヤツだからレイプにも説得力があったとも言えるのかな。
しかしそうなってみると、途端にジュンソクが可哀想になりました。
こんな奴が親って。。。。
自分ならこの先どうやって生きていくのか、想像できません。
ちょっとそれまでのジュンソクに対する憎みの気持ちがどこかに行ってしまうほどの衝撃でしたわ・・・。
あと、ソノの友達のギチャンが謝りに来て、そこは良かったです。
親はアレだったけど(^_^;)
ほかの子たちとその親はどうしたのかな。
本当に憎たらしかったですよね。
ギチャンだけが謝りに来たということは、彼は自分も仲間外れにされたのでソノの気持ちがわかったのでしょう。
人は同じ立場に立たないと共感しないし親身になれない部分がるということなのでしょうかね。
ソノの家族は父親のほかに母親も素晴らしかったですね。
ダヒの親とのやりとりもとてもよかったし、ドンヒに優しくしていたのは感動的でした。
自分もつらい過去を持っていたからこそ、姉の立場からドンヒにその存在を肯定してあげていて、泣けました。
姉妹の関係もよかったです。
この妹のほうはこのドラマが終わった後で、きっと先生とお付き合いが始まりますよね(笑)
妹のスホもこの一件で成長しました。
ドンヒとの友情も胸アツでした。
ドンヒも明るくかわいらしくなりましたし。
禍福は糾える縄の如し、という言葉を思い浮かべずにはいられません。
あと、めちゃ余談なんだけど、担任先生がソノの叔母に自分の車に乗ってきてくれと言うシーンがありました。
「バーチャルキーを送るので運転してここまで来てください」と。
調べたらデジタルキーというのが本当に使われているそうですね。
ぜんぜん知らなかったです。
先生は叔母にスマホでIDだかなんだかを送信し、叔母は同期します。
そうすることでスマホが車のキーになるようでした。進化っぷりに驚いてしまいました。
みなさんはご存じでした?(^_^;)
まぁこれも韓ドラによくあるスポンサーの間接広告とかいうやつでしょうが。
そんなこんなでとても見ごたえがあるドラマでした。
毎週土曜日を楽しみにしていたので、終わってしまって寂しいです。