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「悪との距離」

NetflixでHBO台湾ドラマの「悪との距離」を見ました。
サスペンスのつもりで見始めたのですが、ものすごい重い社会派ドラマでした。

当事者しかわからない感情だろうと思うけれども、かなりリアルに描いてあり、全編胸が痛く何度も泣けてくるシーンがありました。
まず、オープニングがいい!
ニュース映像から入ってコメント欄の紹介、そのコメントから文字が浮き上がり、背景の音楽がよくて。
いぜん観光のCMで流れたF4の「台湾で会いましょう」に似てる・・・
似てません?似てなかったらごめんなさい(^_^;)

でも、私このCM大好きでした。
台湾はもちろん、いまでも海外に一度もいったことがないという私ですが(^_^;)
2007年のCMだったんですね。
このころはまだ周杰倫にハマってもいず(2009年いきなりハマる)、韓ドラも見てない(2011年より徐々に)。もちろん中国ドラマも(結構最近)。
そんなことを思い出してました。

いきなり話がそれてしまいました(^_^;)

「悪との距離」
あらすじは、無差別殺人事件によって狂わされてしまった人々のその後の人生の交錯を描いた群像ドラマです。
被害者家族の苦しみはもちろん、加害者の家族の苦しみにも焦点を当て、人権、正義、贖罪、再生そして報道の在り方など考えさせられることがいっぱいありました。
子どもを殺された夫婦の苦しみや喪失感などは、涙なくしては見られず、つねに涙が出てしまうような感じでの視聴でした。
加害者側にも苦しみがあり、そちらも決して他人ごとではなく、同じように泣かされました。
とても重厚でほぼ、どのキャラにも共感できるポイントがあり、かなり見ごたえがありました。
おすすめです。



余談だけど、主人公の宋喬安は韓ドラでいうとイ・ボヨンさんでしょう!イ・ボヨンにしか見えない!
と思ったら、どんどんほかのキャストも韓ドラバージョンが浮かんでしまいましたよ。
そのだんなの劉昭國はチェ・ダニエルさんだろう!とか。
宋喬安の上司の人はイ・ソンミンさんがいいなとか(希望!)でもイ・ソンミンさんにしてはちょっと押しが弱いなとか、顔からしたらキム・ヨンゴンさんが似ているなとか。
李家の父親はぜったいキム・サンホさんしかないだろう!とか(笑)

あら、またしても余談になってしまいました。スミマセン(^_^;)


以下はネタバレを含む感想です。


宋喬安と劉昭國夫妻は長男を2年前の無差別殺人で亡くしています。
2人は立ち直れていず夫婦仲は冷え切っています。
同じように息子を亡くし同じように悲しくても、犯人に対する感情は違います。
憎しみはあっても、夫は死刑に反対の立場。
顔を合わせれば喧嘩ばかりで、のこされた娘はとても傷ついています。

宋はテレビ局のニュース部門で働いているキャリアウーマン、
その部下に、無差別殺人の犯人、李暁明の妹が名前を変えて働いています。
犯人の妹大芝は、事件の後、大学もやめざるを得なくなり、両親とも別れて暮らしています。
犯人の家族には罪はないはずなのですが世間は許しません。

じっさい、殺された被害者の家族は、「自分の家族が殺されたのに、なぜ犯人の家族はのうのうと生きているのか」という気持ちになるのも当然かと思います。

李暁明の弁護士は、人権を守る猛将と呼ばれるらしい、人道派の王赦。
いまは少女を二人殺害した陳昌という男の弁護を引き受けています。
彼には妻子がいて妻は第二子を妊娠中なのですが、被害者の弁護をするのではなく、加害者側の弁護をしていることに疑問を抱いています。じっさい、市民からも憎まれ、冒頭では汚物をかけられるシーンも…\(◎o◎)/!
(洗おうとする王家のふたりに驚いた。捨てたらいいと思ってしまいました(^_^;)洗っても着たくないよね?つまり、つましい生活なんでしょうね)


大芝は、應思悦の家に間借りしていますが、思悦の弟思聡が事件を起こしてしまいます。
幼稚園に入り込んで園児を撮影し警察沙汰になってしまいました。
もともと映画監督で有名な賞も受賞し、高い志を持っていましたが、業界の水が合わないというか馴染めずに監督していた作品から降ろされてしまい、精神を病んでしまいました。


思聡のその主治医が宋の妹だったとか、この辺の人間関係の狭さは正直韓ドラか?と思いましたが(^_^;)



李暁明はそうそうに死刑執行されてしまいます。
台湾にも死刑制度があるんですね。しかも銃殺!!!
そして、弁護士の王赦も、決して死刑制度そのものには反対していないのですよね。
李暁明は死ぬべきだと。
ただ、なぜ事件を起こしたのかという背景や原因、動機の解明は必要だと。
口を閉ざす李に、熱心に寄り添う王赦。
そんな王赦の熱意に動かされ、それまではひたすら沈黙していた李の心が動き、拒否していた親との面会にも応じ、上告する気になったところで、52人の予定を飛び越えて、死刑が執行されてしまったとのこと。
弁護士にも家族にも通知がなく・・・いきなり・・・理不尽なことでは。
(きっと政権の国民へのアピールだったのかも)

死刑を執行すれば、犯人が死んだら遺族の悲しみが癒え溜飲が下がるのかというと、決してそんなことはありません。
遺族の苦しみも悲しみも永遠に続きます。
けれども社会的にはその事件はもう「終わり」になってしまう。
そして遺族の気持ちのやり場は、どうしても犯人の家族に向くのかもしれません。

犯人と、犯人の家族は、犯行には関係ありません。
家族に罪はないのです。
だけど、もしも、犯人家族が幸せそうに生きていたら?
食べて笑って恋をして些細な喜びを見つけて生きていたら?
自分の愛する息子がこの幸せに生きている人たちの息子によって殺されてしまった、なのに、なぜこの人たちが幸せそうに生きているんだろう?もう私の息子は食べることも笑うこともできないのに、そして私たちも悲しみのどん底にいるというのに??
そんな気持ちになるのではないでしょうか。
トラウマから普通の生活ができなくなることも大いにあります。
立ち直れずに生涯苦しみぬくこともあるでしょう。
そんな遺族への「補償」は誰が負うのでしょうか。

李によって殺されたり障害を負った遺族の憎しみは、李の両親と妹の大芝に向きました。
当然のことなのかもしれません。
良し悪しは別として、そういう気持ちになるのだろうなと思います。

大芝は両親から勧められるままに名前を変え、犯人の妹であることをひたすら隠して生きています。
偶然にも上司は李によって息子を失って苦しんでいる宋でした。
これまた偶然にもそのことを知った宋は、大芝の後をつけさせて隠れている両親の姿を映像に捕えます。

李の父親は酒浸り、母親は少しでも遺族への賠償のためになるようにと、ちまきを売っています。

事件を起こした加害者家族がすべてそうとは限りませんが、この両親は本当に申し訳なく思いながらひっそりと身を隠して暮らしているのです。そんな両親にマスコミが殺到してしまいます。それは正しいことなのでしょうか。
いったい誰のためにそうしているのでしょうか。

宋はニュース部門の制作者ですから、使命も感じている、けれども李の両親への腹いせのような部分もあったと思います。
大芝の姿を執拗にカメラに収めようとしたり、あまりにも冷徹に感じました。
両親が宋に土下座して謝り(報道で娘と連絡が取れなくなって宋を訪ねた両親)宋が激怒の気持ちをぶつけるシーンがありますがこういうシーンの一つ一つが胸を打ち泣かされました。
宋、ひどいよそれは…
でも、それが悪いというのではなく、加害者家族に責任を求める被害者の遺族の気持ちも、申し訳なく思いながらも身を隠して生きるより仕方がないと思う加害者側の気持ちもどちらも、被害者がまた加害者になり得ることが本当に悲しかったです。

弁護士の王赦はどんな犯罪者にも人権があるとする人道派なのですが、世間からは悪人に加担する共犯者のように思われてしまいます。冒頭の汚物の件もそうだけど、妻子に脅迫状が届いたり。
自分のポリシーを曲げずにいたけれども、弁護士という仕事に誇りを持っていても、妻子に被害がある恐れがあれば、くじけてしまいますよね。
そこで雰囲気の悪い、要するにやくざものの弁護を引き受け、大金を謝礼にもらうようになります。
妻の父親にも叱られてしまったしね(^_^;)
生活が大事で、妻子をも守るのが第一だと。

この王赦の「善人と悪人の違いは何か、誰にも答えられない」という言葉にハッとさせられました。
善人と悪人には何も違いはない、
その行いに違いがあるのです。
行いは、誰もが可能性を持っています。
実行するのかしないのかの違い。
それはそのときどきの切っ掛けや縁によって決まるのです。
誰もが加害者になりえるし、被害者にもなりえるのではないでしょうか。

また大芝の同居人の思悦とその家族にもドラマがありました。
婚約が破談になってしまうんです。
ドラマを見ているとこの婚約者がわからんちんで憎たらしい、その母親もね(^_^;)
だけど、自分だったら?
自分が思悦の婚約者だったら?
自分がその婚約者の母親だったら?
簡単に婚約者親子を非難する立場に立ってはいられません。

でも、あんなお母さんじゃ韓ドラ並みに苦労するのが見えてるもんね(^_^;)
別れて正解だったよね・・・と思いたい。

最後には遺族と、李の両親が会談を持ち、気持ちをぶつけあいます。
ドラマだから、そのままいい感じで終わっていくので、きれいごとのようには思いましたけど、まんまと感動しました。
特に、事件で車いす生活になってしまった少年が、車いすバスケを始めていて、李の両親はその送り迎えを請け負っているらしいんですよね。両親が義務感だけでしているわけではないということ、それがちゃんと少年に届き赦す気持ちが」垣間見えるところに人間の優しさが見えて本当に感動しました。

大芝も別のテレビ局に就職が決まりました。
そこに宋が移動してきて、また同じ職場になります。
が、今度は二人の関係は以前とは違うものになりそうです。

弁護士の王赦も、いちどは反社会的な人たちの弁護を引き受けてお金で自分の魂を売ろうとしましたが、その結果死んだようになってしまう夫を見かねた妻の進言で、本来の人道主義的弁護士に戻ります。

宋夫妻も、一連のことをきっかけとして気持ちを吐露し(これが立ち直るために必要でした)泣いて、気持ちを軽くした結果、夫婦と家族の再生を果たします。

ほっとできるラストでよかったです。

ストーリー中いちばん憎たらしかったと私が思うのは、ヤツです、ヤツ!!
大芝の初恋の先輩!!
いやな予感がしたのは私だけではないはず。
思えば、そっち系の大学だったのですね。
だから先輩もニュースのところで働いていたと。
自分がしたことに何の疑問も反省もないところが本当に憎たらしかったですね。


挿入される楽曲もよかったです(*^-^*)





11:25 : [台湾ドラマ]悪との距離トラックバック(0)  コメント(0)